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投資信託は一括と積立どちらが良いかを過去データから検証してみる

投稿:2017-02-04 21:46  更新:

投資信託の購入方法は大きく分けて一括投資積立投資がありますが、初心者ならどちらで買うのが良いかを考えてみます。

一般的に、リターンは一括投資で買った方が有利と言われていますが、長期的に見れば価格は変動するので実は取得単価を平均化できる積立投資が有利になるケースも多いんじゃないか…

という事で、基準価額の過去データを利用して一括投資と積立投資を比較してみたいと思います。

過去のシミュレーションから比較してみよう

「一括投資 VS 積立投資」に関する記事は探せば沢山見つかりますが、理論だけじゃなく実際のデータから結果を知りたいと思ったので、比較のため投資シミュレーションを行う事にしました。

幸い、投資信託の各ファンドでは過去の基準価額をデータとして公開しているのでこれがそのまま利用できます。

ただ、この数字をExcelや手で計算しながらシミュレーションをするのは物凄く手間なため、今回はこのデータを使って簡単に積立投資のテストができる、積立シミュレーターを自作しました。

こちらは誰でも使えるよう下記ページで公開しています。

投資信託たらればシミュレーターのページ

また、シミュレーションは長期間のデータが欲しいので、今回集めたファンドの中で最も長かったセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドを選定しました。

その他、細かいシミュレーション条件は下記となります。

  • 対象銘柄はセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドを選定
  • 期間は2007年3月15日から2017年1月31日の基準価額データを利用
  • 投資総額は毎月10,000円を投資する場合で算出する
  • 積立投資の条件はセゾン投信の定期積立プランに準ずる(※1)
  • 初回購入後5年以上は保有し続ける長期投資を想定(※2)
  • 売却はせず、2017年1月31日まで保有した場合の総リターンで評価する

※1 シミュレーションで利用する基準価額は、定期積立プランの注文日を毎月19日(休日の場合は翌営業日)、約定日を注文日の二日後に合せる。

※2 10年以上でシミュレーションしたかったが無いため5年で設定。

この内容で一括投資、積立投資それぞれが有利だったケースを絞って下記で分析していきます。

一括投資が有利なケース

はじめは一括投資が有利だったケースです。

下記の2009年2月1日から開始したケースのような、下落よりも上昇していた期間のほうが長かった場合は最も一括投資のリターンが大きくなりました。

ここにシミュレーション結果が表示されます


投資方法 投資総額 評価額 保有口数 購入回数 平均取得額 リターン
一括投資 ¥960,000 ¥1,965,000 1,500,000口 1回 ¥6,409 204%
積立投資 ¥960,000 ¥1,347,972 1,028,987口 96回 ¥9,329 140%

投資の基本である「安値で買って高値で売る」という事が出来たという事になります。

リーマンショック後の2009年2月は全期間中をで最安値だったので、この時に投資していれば積立投資に比べ62%も多くリターンを得る事が出来ました。

上記は期間中の最安値をわざと指定した極端な例ですが、これ以外でも2009年2月から2014年10月位までの期間であれば何処で買っても一括投資の方が有利という結果になりました。

この期間は大きな下落もなく上昇基調となっていたので一括投資が断然有利だったと言えます。

積立投資が有利なケース

次は積立投資が有利だったケースを見てみます。

先程のケースより前、リーマンショック発生以前から投資を開始していた場合は積立投資の方が有利となりました。

ここにシミュレーション結果が表示されます


投資方法 投資総額 評価額 保有口数 購入回数 平均取得額 リターン
一括投資 ¥1,190,000 ¥1,543,464 1,178,217口 1回 ¥10,114 129%
積立投資 ¥1,190,000 ¥1,678,086 1,280,982口 119回 ¥9,289 141%

スタート直後に基準価額が下落し始めた事に加え、リーマンショックで落ち込んだ、2008年11月から2013年2月の間は、基準価額が下落した事により口数を買い増し出来た期間となります。

この期間にコツコツと積立て平均取得額が下がり、最終的には一括投資より安く買えた結果となっています。

これはよく積立投資のメリットとして説明されている部分で、時間と資産を分散投資して成功した場合の模範例となると思います。

金融機関等でV字型のチャートグラフで説明されているページ何かがそうですね。

積立投資の意外な例外

上記のケースを見ると、積立投資はV字型に価格が推移する場合は一括投資より有利に見えると思いますが、実は開始期間が少しズレただけで逆転するケースもありました。

例えば、上記例の18ヶ月後から投資を開始したケースでは、直後に大きく下落しているのにも関わらず、最終リターンは一括投資の方が勝ってます。

ここにシミュレーション結果が表示されます


投資方法 投資総額 評価額 保有口数 購入回数 平均取得額 リターン
一括投資 ¥1,010,000 ¥1,503,522 1,147,727口 1回 ¥8,863 148%
積立投資 ¥1,010,000 ¥1,441,292 1,100,223口 101回 ¥9,179 142%

確かに基準価額の下落は積立投資にとって積み増しするチャンスではありますが、その後価格が上昇していくと購入できる口数も減っていくので、結果として一括投資より平均取得単価が上がってしまったという事になりました。

大きな下落が発生すると積立投資の方が有利になると考えていましたが、その後の上昇次第で必ずしもそうとは限らないようです。

シミュレーション結果からわかる事

過去データを利用したシミュレーションからわかった事をまとめます。

結局、一括投資の方が有利なケースが多かった

上記以外にも幾つかの期間でシミュレーションしてみた結果、一括投資の方が有利になるケースが実際多かったです。

今回用意できたデータはリーマンショック、ギリシャ危機の影響で低迷していた期間が長く、その後は上昇し続けたという事から、割りと何処で買っても一括投資の方が有利になるケースが多かったからです。

一括投資は、資金を投入するタイミングが一回なので、間違えると結果が逆転してしまう場合があるものの、この期間はそのポイントが少なく、利益が積立投資より大きくなる可能性が高い期間であったと言えます。

今後はどうなるかわからないものの、一般的に言われる「一括投資の方が有利」というのは間違いなさそうです。

積立投資の利点はリターンの安定性?

上記とは逆に積立投資は一括投資のリターンを上回るケースが少ないという結果になりましたが、積立投資は今回検証したケースだと、どちらでも安定したリターンを得る事ができる傾向にありました。

それぞれ比較すると、一括投資は有利なケースで204%のリターン。不利だった場面では129%のリターンと変動しますが、積立投資の場合はどちらのケースでも140%台とリターンの数値が安定しています。

これは時間を分散させたおかかげで値動きのリスクを減らせたからだと思います。

もしかすると、積立投資はリターンを安定させる効果があるのかもしれませんが、全期間中を調べた訳ではないので別の機会でもう少し掘り下げて検証してみたいと思っています。

まとめ 積立投資の利点は何なのか?

今回のように総リターンで比較する場合だと、一括投資の方が優れているという結果でしたが、それでは積立投資は一体何のためにやるのかを初心者なりに考えてみました。

ドルコスト平均法による積立投資は、長期の価格変動を利用して平均取得単価を低く抑えられる効果を期待する手法ですが、下落後の基準価額上昇によって、かえって割高となってしまうケースがありました。

そうなると、良くメリットとして言われるこの理論は半分あてにならない気がするのですが、個人的には下記のポイントが積立投資の大きなメリットではないかと考えています。

最初に資金を準備しなくても投資に参加できる

積立投資の最大のメリットは、最初にまとまったお金を用意しなくても投資に参加できる事だと自分は思っています。

投資は余裕資金で…とは言っても、100万円単位のお金を最小に用意するのはそう簡単じゃないと思いますし、投資に参加できない事による機会損失もあるので、そういう意味では気軽に始められて良いと思っています。

リスクはあるにしろ貯金感覚で積立をして、将来リターンが出ていれば良しという感覚でやるのが一番かなと考えました。

価格変動に対する精神安定剤

何も考えずに毎月一定条件で買うというのは、価格変動に対する精神安定剤になると思うんです。

一括投資で買った直後に下落すると「高値掴みしちゃったかも…」と凹むので、それが気持ち的に割り切れるというのは初心者にとって大きいです。

あと、何だかんだで暴落が起きた時が怖いのでその時の気休め効果もあると思います。

だから積立投資は初心者にオススメ

上記理由から自分は積立投資が初心者にオススメではと考えます。

欲はあるのでより多く儲けたいですが、これでご飯を食べる訳でも、プロの投資家を目指している訳でもないですし、これくらい緩くやれた方が長期的に投資を続けられそうだからです。

実際、2017年の1月より松井証券の投信工房で投資信託をスタートさせましたが、今回の検証で一括投資が有利とわかっても、当初の積立投資計画を続行する予定です。

自分の場合はまとまった資金を最初に用意していますが、「それじゃ、効率の良い一括投資で」と言うようにはやっぱり踏み切れません。

これは長期で行う投資だし、積立投資のお陰で高値掴みは回避出来ている!と気持ち的には割り切っていますが、全く別で買っている株式が高値掴みをした結果となっていたりするので、こっちも少しづつ買えば良かったと思ったりしています。

このようにその時の評価額を見ると初心者は気持ちが揺れると思うので、ドルコスト平均法による気休め効果は非常に有効だと思います。

以上で、過去データを利用した一括投資と積立投資の比較シミュレーションはお終いです。

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