大半の資金を高配当株に投資し順調に配当金を貰いつつありますが、貰った配当金や毎月の拠出金はどのタイミングで再投資するのかを悩んでいます。
押し目を待っていると置いていかれそうだし、かと言って急いで買えば高値掴みになりそうだしと悶々としていたので、いつ買い増し(&再投資)するのかがベストタイミングを調べてみました。
シミュレーションの仕様と条件
今回は誰でも簡単に手に入れる事ができる米国株の株価データを使いシミュレーションしてみます。
日本と違い本家のYahoo!ファイナンスはCSVでデータを公開してくれているので個人投資家でも簡単にダウンロードする事が可能です。これをPython製のプログラムで処理して各種シミュレーションを行います。
期間は「2009年10月1日~2019年9月30日」の10年間間で、ある一定の条件が揃った時に1株買い増しし最終的に平均価格はいくらになるかをを計算します。
選定した銘柄は右肩上がりで推移したVYM、方向感がはっきりしないAT&T(T)、上昇して下落したアルトリア・グループ(MO)でシミュレーションします。
買い増し用の資金は毎月の給与から拠出する事を前提に、投資する日は一般的な給料日である25日(休日なら翌営業日)を設定します。
また、「毎月、3ヶ月、半年」と定期的に買う積み立て投資の他に、移動平均線(MA)やRSIと言ったテクニカル指標を使ったタイミング投資も合わせて検証します。
積み立て投資はその期日になれば必ず購入しますが、タイミング投資はその月内で条件に合う日があれば買い、無ければ購入を見送るという投資行動を取ります。
その他の詳しい条件は下記になります。また、自身の買いが市場に与える影響や手数料は考慮しません。
- 毎月25日に購入
- 3ヶ月毎の25日に購入
- 半年毎の25日に購入
- 1ヶ月の平均株価(25MA)以下の日があれば月に一度1株購入、該当日が無ければ見送り
- 3ヶ月の平均株価(75MA)以下の日があれば月に一度1株購入、該当日が無ければ見送り
- RSI(14日)が30以下の日があれば月に一度1株購入、該当日が無ければ見送り
RSIなんかは押し目買いの判断材料に使っているという方も多いので、毎月、3ヶ月、半年と価格を気にせず淡々と買うより良い結果になるのではと期待していますが果たして…
結果
先程の条件に基づいてシミュレーションした結果を銘柄別に表にまとめていきます。
株価がどのように推移していたかも週足チャートを参考資料として載せておきます。シミュレーションは日足で行っていますが、10年分は表示しきれないのでチャートは週足です。
最も平均価格が安かったのを赤表示、平均価格が高かったのを青表示で表しています。
VYM
購入条件 | 購入回数 | 平均価格 |
---|---|---|
毎月 | 120回 | $55.69 |
3ヶ月毎(1月、4月、7月、10月) | 40回 | $55.43 |
3ヶ月毎(2月、5月、8月、11月) | $55.57 | |
3ヶ月毎(3月、6月、7月、12月) | $56.07 | |
半年毎(1月、7月) | 20回 | $56.27 |
半年毎(2月、8月) | $56,25 | |
半年毎(3月、9月) | $56.85 | |
半年毎(4月、10月) | $54.60 | |
半年毎(5月、11月) | $54.90 | |
半年毎(6月、12月) | $55.29 | |
1ヶ月の平均価格 | 94回 | $55.11 |
3ヶ月の平均価格 | 60回 | $55.94 |
RSI | 16回 | $57.50 |
AT&T(T)
購入条件 | 購入回数 | 平均価格 |
---|---|---|
毎月 | 120回 | $26.26 |
3ヶ月毎(1月、4月、7月、10月) | 40回 | $25.99 |
3ヶ月毎(2月、5月、8月、11月) | $26.12 | |
3ヶ月毎(3月、6月、7月、12月) | $26.66 | |
半年毎(1月、7月) | 20回 | $26.40 |
半年毎(2月、8月) | $26.57 | |
半年毎(3月、9月) | $27.02 | |
半年毎(4月、10月) | $25.57 | |
半年毎(5月、11月) | $25.67 | |
半年毎(6月、12月) | $26.31 | |
1ヶ月の平均価格 | 106回 | $26.02 |
3ヶ月の平均価格 | 74回 | $26.08 |
RSI | 16回 | $26.85 |
アルトリア・グループ(MO)
購入条件 | 購入回数 | 平均価格 |
---|---|---|
毎月 | 120回 | $36.94 |
3ヶ月毎(1月、4月、7月、10月) | 40回 | $36.85 |
3ヶ月毎(2月、5月、8月、11月) | $36.73 | |
3ヶ月毎(3月、6月、7月、12月) | $37.26 | |
半年毎(1月、7月) | 20回 | $37.38 |
半年毎(2月、8月) | $37.31 | |
半年毎(3月、9月) | $37.37 | |
半年毎(4月、10月) | $36.31 | |
半年毎(5月、11月) | $36.15 | |
半年毎(6月、12月) | $37.15 | |
1ヶ月の平均価格 | 89回 | $38.07 |
3ヶ月の平均価格 | 63回 | $38.94 |
RSI | 18回 | $44.47 |
半年毎の買い増しが効率良さそう
上記の結果をまとめると、半年毎の「4月、10月」もしくは「5月、11月」に買うのが良いという結果になりました。
半年単位だと10年でも20回しか投資しないので人によっては退屈に感じてしまうかもしれませんが、資金を貯める時間が十分あるので都度$4,500以上用意できれば手数料もお得になってきます。(SBI証券や楽天証券で米国株を買う場合)
自分はじっくり考えたいタイプなので、半年に一回というのは自分に合っている投資ペースかもしれません。そして、今回は1株から買える米国株のみで調べましたが、半年でまとまった資金を作れるなら日本株も同じ様に買っていけそうです。配当的には日本株の方が今は美味しいのですが、最低でも20万位は必要ですので。
また、なぜ最適な月が偏るのかについては投資のアノマリーも関係していると思うので、そういうのも頭の片隅に入れておくのが良さそうです。
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テクニカル指標を利用したタイミング投資は微妙かも
テクニカル指標で試したのは移動平均線(MA)とRSIといった代表的なものだけですが、これを利用した押し目買いは微妙な結果となりました。
最も駄目だったのはRSIを使ったタイミング投資で、購入回数は最も良かった半年毎の購入回数とそこまで差がないように見えますが、株価が下がるのを待っていたせいで機会損失が起きているという事だと思います。
RSIを利用したこの買い方のイメージだと、上がり始めたまだ安い時期には様子を見て、上がりきって少し落ちた前より割高な株を買うという感じでしょうか。
これは完全に「押し目待ちに押し目なし」という格言通りですね。これだったら毎月給料が出たら即買った方がだいぶいいです。
ただし、テクニカル指標の中でも平均以下で買うという方法はわりとうまく機能していたように見えます。
VYMやTのような上昇トレンドかレンジの場合は押し目買い効果があるみたいですが、MOのようにトレンド転換し下落し続ける場合だと裏目に出るようです。
いくら高配当株とは言え落ち続ける株をホールドしていていいのかという疑問はありますが、タイミング投資はこまめに価格をチェックしていなければなりませんし、買えなかった月の資金はどうするかとかあるのでやっぱりテクニカルでの買い増しは無しかなと思いました。
まとめ
この銘柄を買うぞ!とポートフォリオに入れたはいいですが、買い増しはこれといったルールがなかったのでこれでスッキリしました。
投資はほとんどの場合で一括投資した方が有利になりやすいのは周知の事実ですが、毎月の拠出や配当の再投資はいつやったら良いのかを悩んでいました。
以前に米国株を買うための米ドルはどのタイミングで買えば良いかを調べましたが、株の買い増しもドルの買い増しも長期間淡々とやっていくのがサラリーマンには良さそうですね。
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簡単ですが、高配当株の買い増しタイミングについては以上となります!
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