9月29に発表された日産自動車(7201)の不正検査発覚で今後の雲行きが非常に怪しくなっています。
9月の権利確定後のニュース発表だったので結構な数の個人ホルダーがいたと思うのですが、私も400株ほど持っているので他人事ではありません。
株価はいくらまで下がるのか?とか業績悪化による配当金の減配はあるのか?等、気になる事も沢山ありますがこのニュース発表前に面白いチャートが出ていましたのでご紹介したいと思います。
日産自動車(7201)でアイランドリバーサルが出現
皆さんはテクニカル指標は投資判断に使っていますか?
私はポートフォリオに組み入れる新規銘柄を選定する際や、初回購入時の売買タイミングでローソク足のチャートを見たりしています。
株の場合はテクニカルよりも企業情報等のファンダメンタルを重視して投資をしていますが、今回の不祥事後に日産自動車(7201)のローソク足(日足)を見てみたら、不吉なアイランドリバーサルが出現しておりました。
アイランドリバーサルは赤丸で囲んだような窓(ギャップ)を開けてローソク足が取り残されている状態で、上昇局面だと天井、下降局面だと底となりやすい転換のサインになるそうです。
今回は上昇局面だったので、短期の天井を付けてしまった可能性が高いと見ています。
日産自動車(7201)でアイランドリバーサルは、9月27日(水)の権利落ち日に完成してそのまま下げて週引け、夜にニュースが流れ不祥事発覚という流れです。
権利落ち日の下落は何となく予想はしていましたが、流石にこの不祥事は想定外です。
全体的には選挙と北朝鮮関連の方が関心が強いようですが、リコール対象は100万台とか言われているだけでに来週の株価への影響は避けられないと思います。
最初に取ったポジションはともかく、資金が余ったらからといって日産に100株追加した分は結果的に余計でしたね。
買ってからこのチャートが完成しているので今回は無理でしたが、今後の教訓として購入前にチャートを確認し、不吉なサインが出ていたらそれも材料にいれるという事もルールに加えたいと思います。
事故は買い、事件は売り
相場の格言に『事故は買い、事件は売り』という言葉があります。
事故の場合は、一時的に業績が悪化するかもしれないが、すぐに回復するから下がったら買い。
事件の場合は、会社に根本的な原因があり、業績悪化の可能性が高いため売り。という意味だそうです。
アイランドリバーサルといい、格言といい、昔の人はいいことを教えてくれるなと感心しながらも、日産をこれから買おうと思っていた人は暫く手を出さない方がよいかもですね。
ホルダーの私はまずは来週の状況を見て判断しますが、恐らく保有し続けるとは思います。
ポートフォリオの保有割合としては日産が5.66%程度ですが、株価下落よりも配当金がどうなるのかに注目しているので、そこがはっきりしない事には損切りもできません。
むしろ、900円台に入ったら買い増ししようかなとも思っているのですが、保有割合的には今が理想なので悩ましい所です。
日産はGPIFのESG銘柄だった
先日まとめたGPIFのESG投資について、日産はこの対象に含まれているかを調べてみました。
まとめた記事でリストアップした銘柄は、GPIFが選定した3つの指数に全て含まれている銘柄のみですが、実は主要の2指数に日産は含まれているのです。
- FTSE Blossom Japan Index
- MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数
またついでですが、経済産業省が発表しているなでしこ銘柄にも日産は含まれています。
GPIFは3つの指数と連動するようにEGS銘柄を買っていくと発表しているので、今回大きく落ちた所で買ってくる可能性もありますね。
これはホルダーのポジショントークでもありますけど、大口機関投資家(クジラ)の動向も気になる所です。
ライバル他社のチャートは?
トヨタ自動車、本田技研工業、そして日産は日本の自動車メーカー御三家と呼ばれています。
残る二つのメーカーはどのようなチャートを描いていたかも残しておこうと思います。
ホンダは米国のように四半期配当ですが、トヨタと日産は3月、9月配当となっています。
こうして比べると日産だけが権利落ち日に大きく下落しているんですね。
また、日産だけ直近の高値(1,160円付近)を明確に越えられていないのも注目ですね。
トヨタ自動車(7203)
本田技研工業(7267)
株価がどこまで落ちるかを予想
最後に、日産の株価が来週どこまで落ちるのかをテクニカルで予想します。
9/29(金)の終値は1,114.5円。ニュース発表後の夜間PTS取引では1,088円となっていました。
週明けの月曜日は間違いなく下がると思うのですが、まずは1,000円を割れるかどうか。1,080円は一旦は揉みそうです。
もし割ったら下は900円位じゃないかと予想中です。
1,000円~1,150円のレンジ相場という可能性もありますが、1,000円を割ってしまうと暫くはこのレンジが下がりそうです。
もし、買いを入れるのであれば底固め後に反転し始めたらですかね。あまり早い段階で買ってしまうと落ちるナイフを掴む事になりそうです。
買い増しするとすれば、900円まで落ちて大底。その後反転をきっちり確認できたら1,000円を回復する前に買い?とイメージしています。
逆に、1,000円で止まって反転したら手を出さずにそのまま様子見です。
予想が全く外れてとんでもなく落ちたら流石に逃げます。
これは短期ではなく比較的長い期間での予想です。来週はいっても1,000円じゃないかと思います。
今はテクニカル判断しか出来ないのですが、アイランドリバーサルや格言等、日産はいくつかの事例に当てはまる面白い相場となっているので、これらの情報は果たして役にたったのかを人柱になりながら検証してみたいと思います。
追記:10月2日(月)のチャート
週明け日産は確かに下落はしましたが、ニュース発表後に土日を挟んだせいか思ったよりは落ちなかったという印象です。
窓が空いているので物凄い下落したように見えますが、前日比は-30円(-2.69%)です。日足チャートは大きな陽線を付けて引けました。
日中足チャートでは1,054.5円が寄り底となって、一気に1,080円台まで回復しその後はほぼ動かず。配当狙いで上がった1,160円付近を天井と見て空売りした人達が買い戻したんですかね。
日産の不祥事はちらほらニュースが出て来るものの、発表直後よりはインパクトが無い感じです。むしろ、選挙のゴタゴタの方が話題に上っているので抜群のタイミングでニュース発表をしたのかも知れません。
もし、980円台までくれば予想利回りは5%以上となるので買いも増えそうです。そうなるとやっぱり1,000円付近が一つの節目でしょうか。
本格的に下がるとすれば今回の問題で業績が悪化してしまった場合や、減配になってしまった場合だと思うので今後の発表に注視しつつ、引き続き経過を観察していきます。
(追記1)18時にニュースが出ましたが121万台がリコール対象だそうです。電気自動車(EV)の新型リーフも対象に入っているだけにブランドイメージが悪化しそうですね。
(追記2)21時、22時に更にニュース追加。リコール費用は約250億円。(昨年の利益は6,600億円)朝日の『書類偽装の可能性も』という飛ばし記事も出ている様子。これで夜間PTS株価は1,073円なので思ったより下げない印象です。やっぱり下で待っている人が多いのかもしれないですね。
追記:10月4日(水)のチャート
10月3日は2日続いて寄り底。初動の対応がよかった為か、3日目の今日も落ちないなと思っていたら午後に急落しました。
どうやらまた悪材料が出たようですが、14:00に配信された読売新聞のニュースによると『日産、有資格者印を複数用意…組織的偽装工作か』という記事がありました。
ホルダーとしてもかなり嫌なニュースで、今後のブランドイメージ低下が恐いですね。
また、半値戻しで一旦落ちた形になるので今後の展開も気になります。
追記:神戸製鋼所 不正発覚後のチャート
日産の不祥事発表から一週間、今度は神戸製鋼所(5406)でアルミ製品の性能データをかいざん問題が発生しました。
[blog-card]https://ohlc.jp/132.html[/blog-card]
主要自動車メーカーでもここのアルミ素材を使っていたという事で、影響が懸念されていましたがそこまでだったみたいです。
日産が軟調なのはここよりも例の不正検査の影響ですね。
一応、御三家の日足チャートも貼っておきますがトヨタが良い感じで羨ましいです。
追記:全車両の出荷停止が決定(10/19)
悪材料出尽くしかと思っていたらまたまた嫌なニュースが出てまいりました!
国の不正指摘後も無資格検査を続けていたそうで国内市場向けの車両が全て出荷停止となるそうです。これは流石に株価へ影響しそう。
日経平均が連騰する中で1080円台でずっと揉んでいて、明日は時合も悪くなりそうと言われている中でこれは何とも。いよいよ1,000円割れを目指すのでしょうか。
20:30のPTS値は1,079円なので明日はどうなるか気になる所ですね。最初にイメージした流れで900円台まで落ちてきたら少し買い増しをしてみようかと考えていますが落ちるでしょうか…
保有中の日本郵政(6178)がまた微妙な感じですので、その時は損切りして日産に持ち替えます。
追記:不正が絶えず業績も悪いので日産を損切りしました(11/8)
事後報告になりますが、11/8(水)の中間決算発表前に日産を損切りする事にしました。
理由は何点かありますが11/8の中間決算発表前に建値付近まで値を戻していたので、一度手仕舞いをし持つならまた買い直ししようかなと考えていました。
中間決算が近づくにつれマスコミの日産叩きが激しくなって来て煽りかな?とも思いましたが、不正発覚後もまだ続けていたりする日産の姿勢には流石に不安を覚えました。
決算発表直後は上下に大きく乱高下してFXの雇用統計発表のような値動きになっていましたが結局は元の位置。損切り(総額5千円位)しなくても良かったかなとも思いましたが、次の日に日経平均が崩れたのと連動してこちらも崩れたので危なかったです…
ただ、日産はやっぱり強いですね。これだけ不正をしても日経平均が落ちても影響は軽微に思えます。
1,080円台が割れてしまいレンジの水準が下がるのか?という展開ですが、期末の決算と配当次第では何事もなく戻す可能性もありそうです。特に、1,000円は買ってくる人が多そうに思えます。
一方、手仕舞いを検討していた郵政は不正も何もしていないのに日産よりもリバらずに、日経平均が落ちるとともに勢い良く落ちてしまいました(笑)
こちらも日産と同日に損切りして手仕舞いしているのですがむしろこっちの方が危なかったです。損切りが一日遅れていたらと思うとゾッとします。
日経の上げには微動だにせず下げにだけ連動するのは流石にいただけません。
話は逸れましたが、EV自動車は今後最も注目されるテーマだと思いますので日産を含め自動車業界は引き続き追いかける予定です。
トヨタもEVへ参入するようですので見逃せませんね!
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